みなさんこんにちは。ファイナンシャルプランナーの岩本です。
転職したばかりの私に、前の会社から脱退一時金の案内が届きました。額面の数字を眺めていてふと計算してみたらびっくりの内容でしたので、今回は、確定給付年金と確定拠出年金の不思議な関係についてお話ししたいと思います。
現在脱退一時金を一括で受け取ると約350万円になっていました。前職で定年退職となる60歳にあたるまでの期間を据え置くと約450万円になるようです。額面金額が小さいのでピンと来ないかもしれませんが、これ、複利計算で利率をはじき出すと102.5%の利率で運用されていることになります。
老後2,000万円問題が一時期話題になり、人生の三大支出「老後資金」対策としてDCやiDeCoが脚光を浴び、「貯蓄から投資へ」というコピーがあちこちで散見されるようになりました。
人気があるのは初心者が安心しやすいバランス型投資信託ですが、運用実績を可能な限り長期で確認してみてください。年利102.5%を超える商品はなかなか見つかりません。バランスファンドにも元本割れリスクはもちろんあります。元本割れのない確定給付年金が年利102.5%のパフォーマンスを誇るのですから、元本割れリスクを伴う金融商品なら最低でも103.5%は欲しいところです。そうすると100%株式で確定拠出年金を運用せざるを得ないのが、結論といえるのではないでしょうか?
立場を変えて経営者側から見ると、年利102.5%で給付し続けなければならないというのはかなりリスキーな話ということです。給付金額が決まっていますので、運用だけでは賄いきれず、補填しなければならない場面があることが想像できます。
ちなみに確定拠出年金で元本保証商品を選ぶと手数料負けしてマイナス実績になりますのでご注意を。